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直せない原稿なんてない

先日の唐沢氏に関する日記「そんなに迷惑でしたか・・」について、同業者から何通もメールをもらいました。その中には永山薫氏がTwitterで
>額田氏は善くも悪くも「絶対的に担当している著者を守る」編集者だった。
と書いていると教えてくれたメールもあった。ある程度のこうした反響があったので、このことについてもう少し書いてみようと思う。

永山氏には、自分が『フィギュア王』時代に、唐沢氏がコラムで永山氏の著作を出典を明記せずに引用したことで謝りに行った記憶がある。けっこう怒られたなあ。「なぜ唐沢は来ないのか」と詰め寄る永山氏に「この件は明らかに編集者のミス、だから自分が来た」と説明する一連のやりとりの中で「そりゃあ編集者は著者を守りますよ」と確か答えたことを覚えてる。今から10年以上も前の出来事だけど、でもこの考え方は今でも変わってない。ただ「守る」ということの意味は、何が何でも北朝鮮的に「先生様マンセー、アンチがこんな誹謗中傷をしているのであります」ということでないのは説明するまでもないだろう。

ところで、残念なのは唐沢氏の編集担当者からのアクションが何もないことだが、でもこれは理由が二つ考えられる。主な理由と思われるのは自分のこの発言をみんな読んでいないということ、つまり「そんなブログなんて知らねえよ」と。もう一つはサラリーマンなので、発言が制限されている、ということ。いま「仕事の内容に関して無断で外部に発信するな」ってうるさいから。自分のこの発言を「勇気あること」と評してくれる人がいて嬉しかったけれど、自分は現在フリーの編集者。何を言ってもそれで会社から怒られるということはないので、立場が同じではないよね。

でも今回の件は「編集者の仕事、その範囲、立ち位置」というものについて、自分の中でいろいろ考えさせられるいい機会となっている。編集者は例えどんな大先生の原稿であっても“直す権限”を持っている。直せない原稿なんてない。だからやっぱりその結果についても責任を持たないといけないし、上がった疑問や指摘に関して黙秘権はダメだと思う。

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コメント

永山さんとの一件で問題となった唐沢の原稿の記述は、ぼくへの誹謗中傷行為の一貫だったと認識しています。
その意味でたいへん不愉快なものでしたが、まあ済んだことなのでいまさらとやかく申しません。
ただ、「フィギュア王」に載った彼の謝罪文は、プロのモノカキを自称するにはあまりにお粗末なものだったと思います。
いま手元にないので、「検証blog」での発掘を待ちましょうというところですね。
さて。額田さんの一連の勇気あるエントリーについては、Twitterで言及しています。
名前は出さずにおきますが、昨年、唐沢の単行本を手がけた編集者の方がぼくのツイートをフォローしています。
少なくとも一人は、額田さんのエントリーの存在を知っていると思われます。

投稿: 伊藤 剛 | 2009年11月25日 (水) 12時30分

>伊藤さん

>永山さんとの一件で問題となった唐沢の原稿の記述は、ぼくへの誹謗中傷行為
>の一貫だったと認識しています。

確かにそうでした。表面上の問題点は引用元の不明記ということでしたが、むしろ
それよりも誹謗中傷行為の一貫という二重構造の裏の部分こそが問題でした。
そうでなければ、知らない間柄でもないので「ごめん」で済んだかもしれません。
謝罪文に関しては唐沢氏から送られて来たものはそのまま載せたと記憶してます。

エントリーに関しては、そうでしたか。ありがとうございます。このプログも今まで、
全然更新していなかったというのもありますが、ほとんど反響はなかったのですが、
ここ数日の動きを見ると、今回の問題についてのみなの関心の高さが伺い知れる
ものとなりました。

投稿: 額田久徳 | 2009年11月25日 (水) 20時57分

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